私の中学校の部活顧問

教員が強制的に部活動の顧問に従事させられ、休日までほぼ無給で出勤させられるなどの勤務実態が、教育社会学者の内田良氏などにより取り上げられて一部で問題視されてきているようです。彼らのいうような「ブラック部活」でなくとも、教員が部活動中ずっと現場に張り付いているのが当たり前なんでしょうか。そうしなければならない決まりがあるんでしょうか。少なくとも自分が中学校の時に入っていた部活はそういう実態とは随分かけ離れたものでした。

今ではすっかり見かけなくなった硬式テニス部には理科教員の顧問はいたものの、たまにふらふらやってきては指導らしいこともせず、好き勝手に喚き散らしたり、何分間かコートでボールを撃って去っていくだけでした。はっきりいって邪魔です。少なくとも平日は多分普通に事務的な残業をしていたのだと思います。活動途中でスクーターに乗って帰っていく姿も何度も見ました。

普段いない分、何か方針を示してくれていたのかというとそういうわけでもなく、光化学スモッグ注意報の中でも練習はお構いなしです。今思えばよく熱中症になる人が出なかったと思います。さすがに大会への引率は休日でも顧問が駆り出されていましたが、別に行き帰りが同伴だったわけではなく、それも実質はいてもいなくても良いようなものでした。

当時すでにだいぶお年を召していて見た目もヨボヨボしていたので、今ではきっと天国だか涅槃だかに旅立たれていることでしょう。卒業後、高校の出願に必要な書類を取りに行った際だったか、喫茶店でお茶を奢ってもらったのが唯一良い思い出です。決して悪人というわけではありません。むしろいい人かもしれません。現場から離れさえすれば。

私としては、生徒の身からしたら、指導力もないくせに中途半端にゴチャゴチャ喚き散らすしか能のない顧問の部活ならば、事故防止などの安全のガイドラインさえ徹底させれば別に顧問など常置する必要がなく、自由放任を貫いて生徒たちで勝手に練習させれば良いのではないかと考えています。そうすれば教員も生徒も負担が減るでしょう。柔道などでは難しいと思いますが、少なくともテニスならよほどデタラメなことをしないと大怪我をするリスクは少ないでしょう。

もちろん、かと思えばそちらが本業かと思うほど気の狂ったように部活動の指導に熱を上げていた教員(ハンドボール部は全国クラスだったらしいですが、典型的な狂犬、いや強権的な教員でした)もいて極端でした。それはそれで様々な問題が生じることも指摘されていることは言うまでもありません。

私の中学校の部活顧問” に対して2件のコメントがあります。

  1. なん より:

    こんにちは。吹奏楽部の記事から伺いました。
    ブラック部活問題は、仰るとおり生徒主体ではなく大人(教師・指導者・親)の思惑に左右されているところに根源があると思います。練習メニューや試合運びなど生徒に考えさせ、顧問や指導者は安全管理と助言・技術指導のみとすればたいていの問題は解決しそう…と思いますが甘いかしら。
    どんなに結果が素晴らしくても、退部者を多く出したり、卒業後にその競技を長く継続する人がほとんどいなければその部活は失敗、という認識になるといいなと思います。そういう追跡調査があれば見てみたい。

  2. 鴉(管理人) より:

    コメント感謝です。

    どういった指導が適切なのかは私にもはっきりとしたことはよくわかりません。少なくとも、本文で取り上げたような二人のような顧問は御免被りますが。
    たぶん、調べれば指導法についての研究はたくさん出てくるとは思います。

    別の機会に触れようと思っていましたが、学術的なものではないものの、『インナーゲーム』という本は、感情をむき出しにして過度に干渉するような指導法とは真っ向から対立する理論が書かれていて何度読んでも興味深いです。
    もともとはテニスの本ですが、あらゆる技術の指導、練習に通じる内容です。賛否は自由ですし、果たしてどれだけ効果が実証されているのかはわかりませんが。

    その本でも述べられていますが、賞などの即物的な結果ありきではなく、活動に没入して上達していく喜びの延長線にそういうものがあるのが健全だと個人的には考えております。

    たとえ、賞を量産できたとしても、某吹奏楽部のようなやり方は、あちらの記事でうるさく言っているように、少なくとも学校教育の場でやるには倫理的な問題がありすぎます。

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