筋トレ職人の実践講座の問題点(ホエイプロテイン編)

前の記事で、アフィリエイトで収入を得るためには、見る人の欲望を煽って、その人にとって必要でないものを買わせている側面があるのではないかと書きました。

私が知っている、その悪い例を体現しているサイトを名指しで批判しようと思います。おそらく文句は言われないでしょうし、突っかかってきたとしても明らかにあちらに問題があるので無視するつもりです。

それは、「筋トレ職人の実践講座」というサイトです。
このサイトでは筋肉トレーニングの方法を写真入りで説明されていて、プロテインやトレーニング器具などのアフィリエイトも行っています。
「筋トレ」と検索すると一ページ目に出てくるのでアクセスする人の数は多いでしょうし、アフィリエイトを提供しているケンコーコムのページで「スーパーアフィリエイター」として取り上げられているので、アフィリエイト収入もかなりあるのだと思います。
http://affiliateblog.kenko.com/home/2007/03/2_vol2_97d2.html

しかし、筋トレ職人の実践講座をよく見てみますと、販売ページの文章は、明らかに商品がもっているであろう価値をそれ以上のものに見せかけて、よく知らない人に売りつけているといっても過言ではないものなのです。

では、具体的にどの箇所が問題か見ていきましょう。

まず、「たくみのプロテイン体験記」というページを見てみますと、他のプロテインを飲んでも筋肉がつかなかったが、DNSのホエイプロテイン(プロテインホエイ100)を飲んだおかげで、一ヶ月で3kgの筋肉がつき、痩せマッチョになったというような話が延々と書いてあります。(文章の書き方は最近は下火になってきた神田昌典氏あたりの影響でしょうか。わりと前からあるサイトなので、神田氏の絶頂期のときに書いたのかもしれません。)

筋トレ職人の実践講座の運営者のたくみ氏はさもDNS製のプロテインのおかげで筋肉がついたというような書き方をしているのですが、果たして実際にそうなのでしょうか。トレーニング、食事が同じで他のプロテインに代えたらいきなり筋肉がつくなどというのは常識的に考えにくいことだと思います。

「薬事法の法律抜きで正直に言えば、1ヶ月で筋肉が3kgの増加です!」などと書いていますが、薬事法は勝手になしにできるものではありません。

お金をムダにする悪徳プロテインというページにも、「飲んだ量のたった20%がホエイたんぱくよりも、飲んだプロテイン100%すべてがホエイたんぱくのほうが、あきらかに筋肉を大きくするのは当然だと”たくみ”はおもいます。」などと書いてありますが、その根拠はなにも述べていません。

私の友人で、DNSのホエイプロテインより安いソイプロテイン(大豆)を買って、たくみ氏以上に発達した身体を持っている人もいます。

確かに、ホエイプロテインは飲みやすいものが多く(私や友人が愛用していたソイプロテインは固まりやすいですし、お世辞にもおいしいといえるものではないです)、吸収時間が速いとされていますが、実のところ、筋肉をつけるという面でホエイプロテインが他のプロテイン(たんぱく質)より優れているという研究などは私は聞いたことがありません。
そもそも、誤解されがちですが、プロテインを飲んだからといって筋肉がつくわけではありません。プロテインは、アナボリックステロイドなどの筋肉をつける薬物ではないのです。プロテインはタンパク質を摂るための粉末であり、あくまでトレーニングをして、バランスの良い食事と休養を十分にとった上で、それだけでは摂りきれないタンパク質を補って筋肉の発達を促すためのサプリメントにすぎません。

誤解のないように書いておきますと、たくみ氏の書き方が著しく誤解を生みかねないというだけで、DNSのプロテイン自体は私も飲んだことがありますが、飲みやすい味で(チョコレート味がおすすめです)、3kgで値段もそこらで市販されているものの中では安い方ですしよい商品だと思います。しかし、他のプロテインと比べて群を抜いて、筋肉をつける作用があるというわけではありません。

実際に、他社のプロテインと比べてみましょう。
DNSのホエイプロテイン(チョコレート味)は33gの中に22.9gのたんぱく質が含まれています。
http://www.domeshoppingzone.com/dns/ItemDetail?cmId=176

それに対し、よく見かける有名メーカーのSAVASのホエイプロテイン100では、21gあたりに15gです。33gあたりに換算しますと、約24gとDNSよりも少し多いくらいです。
http://www.meiji.co.jp/sports/savas/products/whey100.php

ウイダーのホエイプロテイン(ココア味)も、同じ計算で、33gあたり21.945gと、上2つに比べて別段劣った数字ではありませんでした。当たり前ですが、DNSのホエイプロテインだけが純度が高く、他のものには不純物が混じっているというようなことはありません。

ただし、SAVASやウイダーは多くても1kgのものしかないので、まとめて買う場合は3kgのものがあるDNSのほうが安上がりだとは思います。

さて、以上でDNSのホエイプロテインを飲んだからといって筋肉がつくようなものではないということはおわかりいただけたと思います。

また、他社のプロテインを飲んだからといって筋肉がつかないというわけでもありません。含まれているタンパク質(プロテイン)の量が同じなら、効果が異なるということは考えにくい話です。市販されているものでそんな質の悪いプロテインは果たして存在するんでしょうか。
結局、筋トレ職人の実践講座のたくみ氏がやっていることは、存在するか疑わしい悪者を勝手に作り上げて、やっつけてしまう、いわゆるマッチポンプなわけです。

なお、DNSも悪くはありませんが、できるだけ安くホエイプロテインを買いたいという方に私がおすすめなのは、グリコのマックスロードホエイプロテインです。Amazonで買えば、3kg入りが現在で7305円とお買い得です。DNS(9589円)よりも格段に安いです。

DNSのものも、メーカーの公式サイトよりもAmazonの方が安く買うことができます。もちろん、メーカー直販で買ったほうが質がよいなどということはありません。

(アフィリエイトリンクになってますが、気が向いた方はうちから買ってもらえればと思います。できるだけ公平な情報をお伝えするというのが私のポリシーのつもりです。)

筋トレ職人の実践講座については、シットアップボードのページの写真はインチキ臭かったり(二週間であんなに変化するとは考えにくい)、トレーニングの名前が間違っていたりと他にも突っ込みどころはあります。また、全体的に文章が痛々しいです。よくわかりませんが、ああいう文章が人に受けるものなんでしょうか。私には理解不能です。続きは気が向いたら書いてみようと思います。

参考
筋トレ職人の実践講座の何が悪いのか(ping痩身)
http://pingsoushin.blog65.fc2.com/blog-entry-32.html

(2014年10月31日追記)
Amazonのページを確認したところ、以前は1万円以下で買えたDNS プロテインホエイ100の3kgが、13000円以上と大幅に値上がりしていました。一方、ザバス ホエイプロテイン100は1kgで3500円ほどで、現在ではSAVASのものを3つ買ったほうがDNSを3kg買うよりも安上がりです。当サイトがおすすめしているグリコのマックスロードホエイプロテインも約9000円に値上がりしてしまっていました。(ただし、マックスロードは量が3kgではなく3.5kgになっていましたが)
物価は上がる、税金も上がる一方で、給料が上がった、生活しやすくなったという話は寡聞にして聞きません。トレーニーにも寒い時代が訪れたものです。

筋トレ職人の実践講座の問題点(ホエイプロテイン編)” に対して2件のコメントがあります。

  1. 匿名 より:

    このサイトについて以前某ASPさんに薬事法や景品表示法に触れるんじゃないかと問い合わせてみた事がありますが、「売り上げが良いので規約違反は大目に見てる」というおどろきの回答をもらったことがあります。

  2. 管理人(鴉) より:

    お返事が大幅に遅れて恐縮です。どこのASPかはだいたい見当がつきます。お返事をしなかった期間は、呆れ果てたあまり言葉も出なかったということにして下さい。

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