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麻生太郎の集団的自衛権といじめ発言(書きかけ)

公開日: : 日記

毎日新聞によると、麻生太郎が、自民党の会合で、集団的自衛権の話をする際に、いじめにたとえ、「勉強ができない、けんかが弱い、金持ちの子、これがいちばんやられる」そうです。

突っ込みどころはいくらでもあってまともに取り合うのも馬鹿馬鹿しいのですが、Twitterで友人が、「言ってることは的外れじゃない」と、麻生氏を庇うような目を疑うようなことを言っていたので、彼のために逐一何が問題なのかを指摘したいと思います。

第一に、そもそも国家間の戦争と、学校でのいじめを同列に語れるものなのでしょうか。このことは先月の読売新聞のコラムへの批判でも触れました。

第二に、麻生氏のいじめ問題に対する現状認識の欠如と、人間観の乏しさです。
そもそも、勉強ができずに喧嘩が弱く、家がお金持ちの子供がいじめられやすいという定義自体、何ら根拠のない、麻生氏の独断にすぎないものです。また、この発言には、いじめられる子はその子がどこか劣っているからだという麻生氏の価値観を感じさせられます。実際にいじめに苦しんでいる子どもたちがこんな発言を目にしたら、いじめられているのは、自分が勉強ができないから、力がないから、あるいは家の財産のせいで、自分が悪いのかとさらに傷つくことなど想像もできないのでしょうか。(ところで、この定義ですと、麻生氏にも学校でいじめられた経験はあるのでしょうか。喧嘩が弱いのかはわかりませんが。実際にいじめられたなら口が裂けてもこんなこと言わないでしょうが。)
いじめを自衛権と絡めて同列に語れるということは、上でも書いたように、いじめられている子どもたちに、いじめられているのは君が弱いからだ、もっと強くならなくてはならないと言うことが正しいと考えているんでしょうか。(残念ながら未だこんな狂気じみた考えを持っている人も少なからずいるようですが)
いじめはいじめるほうが一方的に悪いに決まっています。どんな理由があったとしても暴力で人を踏みにじることが許されるはずはありませんし、それに対して更に上回る暴力で対抗する必要はなにもありません。
聴衆者の中には、お子さんのいる人もいたでしょうし、もしかしたらいじめられている子を持った人もいたかもしれません。この発言を聞いたそのような人たちは一体どう感じたのでしょうか。

第三に、自衛権といじめを絡めた麻生氏のこの発言(彼に限ったことではなく、集団的自衛権推進派全体に言えることですが)には、暴力には暴力で対抗するしかない、そうすべきという価値観も見え隠れしています。
戦争なんとしてでも防ぐのが政治の役目なのではないのでしょうか。憲法にも明記されている平和主義をどう「解釈」すればこのような考え方に至るのでしょうか。
麻生氏は「抑止力は基本的に力がないとできない。その力を使うという国民的合意がいる」と述べたのことですが、彼らのいうような抑止力とは、結局は潜在的な暴力による暴力を止めようとすることに過ぎません。それは平和といえるのでしょうか。確かに世界中では未だ戦争、紛争は絶えません。しかしそのような悲惨な現状を肯定するだけで、変えていこうとする努力をしない人間なら、一国の総理大臣はおろか、政治家になる必要も資格もまったくありません。

第四に、もし麻生氏のたとえを受け入れるなら、日本は、勉強ができず、喧嘩が弱いがお金がある国ということになります。それぞれ検討してみると、勉強ができない国というのは一体どういうことを指しているのかよくわかりません。麻生氏が勉強ができないのは確かでしょうが。勤勉さが日本人の美徳(私はそんなに信じていませんが)ではなかったのでしょうか。
自称愛国者の人たちには麻生氏を支持している人が多いのかもしれませんが、実際は麻生氏はわが国の精神性を貶めているのです。

自衛隊についても、麻生氏は「日本は間違いなく軍事力がある。」と述べています。これは喧嘩が弱いということとどう結びつくのでしょうか。

また、金持ちの子というたとえについても、本当はわが国の財政は火の車のはずですが(今春消費税が上がったばかり!)、個人的に大金持ちで経済的に何不自由することのない麻生氏自身にとっては何ら関係のないことだと感じているからこんなことが言えたのでしょう。やはり現状認識能力に欠けていると言わざるを得ません。一般市民を見下したボンボン、貴族の発言です。

そもそも、これらの発言は集団的自衛権に言及した際の発言とのことですが、日本が狙われやすいとかそうでないとかいう話は、個別的自衛権の話であり、集団的自衛権の話をするときにもちだす必要性はまったくありません。

第五に、さらに理解困難で醜悪だと感じたのは、麻生氏は一連の発現の際、ヘラヘラヘラヘラと笑みを浮かべていたことです。一体何が面白いのでしょうか。ナチス発言のときもそうでしたが、本人はブラックジョークを気取ったつもりなのでしょうか。なんにせよユーモアのセンスの欠片もないどころか、品性下劣だと言わざるを得ません。

このように、麻生氏の発言はなんら弁解できるようなものではなく、政治家としての資質に著しく欠け、その人間観も貧相極まりないと言わざるをないものです。これが首相を務めたこともある閣僚の、しかも公の場での発言だと思うと恐ろしいことです。森喜朗にしろ、酒場での年寄りの与太話と、重責を担う政治家としての公の場での発言との区別がつかないのでしょうか。政治家としての自覚と自分の発言への責任感が欠如していると言わざるを得ません。これらの発言を擁護する人は、一体どんな論拠でできると考えているんでしょうか。そういう人はいい加減目を覚ますべきだと思います。

ただし、毎日新聞の記事が少し恣意的だと思わざるを得なかったのは、記事には「この会合で、麻生氏は「学校で一番いじめられるやつっていうのは、けんかが弱い、勉強もできない。しかも貧しいやつ。三つそろったら丸腰」とも述べている。」と書いていますが、TBSの映像を見ると、麻生氏は、「」その後で、「」と述べています。これはミスリードを誘うと思います。

しかし、権力の監視という面では、この毎日新聞の報道は、ジャーナリズムの役割を果たしていると感じました。こういうことを書くと、やれ毎日新聞は日本を貶める売国新聞だ、左翼的だ、愛国心がない、言う人がいるようですが、そもそも政府のいうことに対して右に倣え、左に倣えするのが新聞の存在意義ではありません。そういうものは単なる大本営発表にすぎません。

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