なぜ「現代の日本人の道徳心は低下」していて「昔はよかった」という考えが広がるのか(メモ)

事実としては明らかに戦前の方が日本人の道徳心は低く、犯罪件数も多く凶悪だったにもかかわらず、往々にして、現代の日本人、特に若者のモラルが低下していて、戦前のほうが優れていた、忘れ去られた日本の心を復興させなければいけないなどと語られるのはなぜでしょうか。
まず、モラルや道徳心については、ショッキングな事件が起こると、マスメディアが大々的に取り上げることが理由の一翼を担っているのではないしょうか。そうするとわれわれはあたかも社会が堕落しているように錯覚してしまうのです。

そうすると、「昔はよかった」という戦前回帰したい価値観を持っている人たち、たとえば安倍晋三氏をはじめとする自民党に多く見られる政治家がそれを利用して、治安の悪化と戦前の教育の復活を喧伝しやすくなるのではないでしょうか。そうすると、マスメディアの報道で体感治安の悪化に動揺しているわれわれは、容易に彼らの主張を信じこんでしまうのです。そうすると、今は堕落していて昔は優れていたという事実に反した考えがいつの間にか常識にすり替わってしまう。こんなことを考えてみました。

その結果、戦前回帰とは別にも、効果を度外視した監視社会化が進んだりするということも考えられます。たとえば浜井浩一『2円で刑務所、5億で執行猶予』という本によれば、街頭に設置した監視カメラには実は統計上、犯罪の抑止には有意な効果が見られないことがわかっているそうです。(pp.69-71)

偏った情報に踊らされないように気をつけたいものです。

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