お金に少し余裕ができたので、安い代わりに古い公営のトレーニング施設から、コナミスポーツクラブにトレーニングの場を移しました。格段に高いですが、清潔ですし、なにより近いのが個人的に大きなメリットです。プールにも通って元を取ろうと思っています。

さて、コナミスポーツクラブには、「バイオメトリクス」という、食事指導を含めたマンツーマンのパーソナルトレーニングがあります。こんなことを書くとコナミから追い出されそうですが、このバイオメトリクスを行っている人のトレーニングを見て、スタッフに質問したところ、どうもどういう理論に基づいたトレーニングなのかよくわからず、トレーニングとして効果があるのか疑問に思いました。

持ち帰ったチラシによると、バイオメトリクスは、運動と食事と水の相乗効果で、4週間で太りにくい身体を作るプログラムだそうです。スタッフによると、ダイエットに特化した特殊な方法だと言っていました。これ自体は正統派アプローチだと思います。

ダイエットで一番重要なのはなんといっても食事制限です。食事を調節して一日のカロリー計算の収支をマイナスにしなければ、運動だけで痩せることは難しいです。運動で消費されるカロリーはたかだか知れているからです。

とはいえ、食事制限だけで運動しなければ、確かに体重は短期間で落とそうと思えば落とせますが、貧相な体になってしまいます。
実際に私の知人男性も、お腹がぽっこりと出ていたメタボ体型から、最近短期間で体重を14kgほど落としましたが、確かにお腹は凹んだものの、胸板は薄くなり、腕脚も華奢で、皮膚も垂れていてどうも健康的なようには見えず、周りの人はむしろ前以上に心配していました。
私自身も同じような痩せ方をしたことがありますが、やはり、「大丈夫?やつれてるよ?」などと言われたものです。

しかし、ウェイトトレーニングを採り入れつつ食事制限をすれば、筋肉を削ぎ落した貧相な身体にならずに、メリハリのある身体でなおかつダイエットの目標を達成することができます。勘違いされることが多いのですがウェイトトレーニングでは直接脂肪を落とす効果はあまりありません。腹筋運動をしたからといって、お腹の脂肪が落ちるわけではないのです。一方ジョギングなどの有酸素運動は、直接脂肪を落とすことが知られています。両者を組み合わせれば高い効果が得られるでしょう。

水については、チラシには水で新陳代謝を高めると書いていますが、私はそういう効果があるのかはよくわかりません。ですが、運動や食事制限に傾いて水分補給をおろそかにすると、特に今のような暑い時期には脱水症状を起こす危険がありますので、水を飲むよう心がけるのは重要だと思います。

このように、一に食事制限、ニに運動というのがダイエットの王道なわけですが、実際のバイオメトリクスのトレーニングを見ているとどうもそのトレーニング法に疑問がわきました。

ある女性がトレーナーにしたがって、上腕三頭筋(二の腕の外側)と、腹筋のトレーニングをしているのを見たのですが、秒数を数えながら、徐々に徐々に、しかも時計の秒針のようにカチッ、カチッ、と一瞬止まりながら筋肉を収縮させて、一番収縮させたところで(マシントレーニングなら重りをあげきったところで)一気に力を抜いて元のポジションに戻していたのです。
確かに、秒数を数えながらあえてゆっくりとした動きで行うスロートレーニングはよく知られていて私も採り入れています。東大の石井直方氏が研究して普及させたことでも有名です。
ですが、私の知っている限り、スロートレーニングは滑らかな動きで行い、時計の秒針のようにわざと一瞬止めながら段階的に上げていくことはしません。これはどういう理論的根拠に基づいたトレーニング法なのか疑問です。(ちなみに、筋肉に負荷をかけた状態で一定時間完全に静止させるトレーニングは昔から存在して、効果も確認されています)
また、わざと静止させて負荷をかけ続ける方法でない限り、ふつうトレーニングにおいては重りを上げた時(ポジティブ)と同等以上に、重りを下げる時(ネガティブ)にも筋肉が刺激されることが知られています。ですから、スロートレーニングなら、ふつう、たとえば4秒で重りを上げたとしたら、下ろす時にも力を抜かずに4秒かけて下げるものなのです。私がコナミで見た方法では、上げきったら一気に力を抜いてしまっていて、せっかくのトレーニングの効果を半減させてしまっています。
これはどういう理論で、どういう効果を狙っているのかトレーナーに尋ねてみましたが、脂肪を落とすための特殊な方法だと言うだけで、説明できていませんでした。

しかし、上でも触れましたが、ウェイトトレーニングは、筋肉をつけて身体にメリハリをつけたり、基礎代謝を少し増やして痩せやすくする効果はあるものの、直接脂肪を落とす効果は少ないのです。もう一つ疑問に思ったのが、バイオメトリクスでは有酸素運動を禁止しているらしいことです。なぜ有酸素運動をしないのかよくわかりません。おそらく、有酸素運動は軽い負荷で一定時間(15分ほど)行わないとほとんど脂肪燃焼されないとされているので時間を短縮するためでしょう。それならば、中途半端な謎のウェイトトレーニングをするのではなく、筋肉をつけることに特化した王道的な方法をすればいいのにと思います。
ちなみに、特に女性の方は、筋肉をつけることに抵抗感があるかもしれませんが、よほどのことでないとウェイトトレーニングで見た目がゴツくなるほど筋肉がつくようなことは女性ではまずありえません。(男の私でさえ、簡単に筋肉がついたら苦労はしないです…)
むしろ、プロポーションが整ったり、痩せやすくなったりといいことづくめだと思います。

おそらく、バイオメトリクスを考えた人は、コナミの上層部だと思いますが、合理的なトレーニングやダイエットの手法に通じた人ではないでしょう。また、各施設のトレーナーもマニュアルに従っているだけで、専門的知識がある人だとは限りません。単なる学生アルバイトも多いと思います。
中には詳しい人もいるかもしれませんが、ピラミッド型組織のプログラムにおいて、各トレーナーの裁量を効かせられるのかどうか疑問です。

確かにバイオメトリクスで効果は出るかもしれませんが、それはやはり食事制限による効果が一番だと思います。トレーニングは手法には疑問があるものの、あれでもなにもしないよりは大いにマシです。

ただし、マンツーマンですと、1ヶ月、週に3回で54000円、週1回でも28080円もするのです。個人的によく使う表現ですが、知人が受けると言い出したら説得して思いとどまらせます。
プログラムの中身自体は大したものではなく、費用の大部分人件費だと思います。一人ではモチベーションが上がらないから、お金を払って誰かにつきっきりになってもらうことで、強制されることでダイエットを敢行しようという人と持ちつ持たれつの関係といえるでしょう。
ですが、はっきり言って、1ヶ月で痩せたところで、継続しなければすぐにリバウンドしてしまいます。ずっとマンツーマンの料金を払い続けるのでしょうか。中にはそういう裕福な人もいるかもしれませんが、大多数の人は結局自分で、主体的に健康管理をしなければならないのです。
心理学的にも、外からの報酬や罰によってモチベーションを高めることは、自発的に高めることに比べて限界があるといわれています。

私は10代の頃に初めてジムに行きましたが、全然続きませんでした。効果が感じられなかったからです。しかしそれは、自分の知識が不足していたり、目標が不明確だったり、トレーナーの組んだプログラムがいい加減なものだったり、ジムが遠すぎたり、お金がなかったりしたためで、それらが解消されると誰に言われることもなく、トレーニングを継続することができるようになりました。まだまだ理想の肉体までの道は険しいですが、それでもボディメイク自体は楽しいと思えています。

なお、最近はライザップなどの超高額なパーソナルトレーニングがCMで盛んに宣伝されているようですが、調べた限りではあれも結局は食事制限による効果が一番大きいと思います。厳しい食事制限で一時的に痩せたところで、やはり、主体的にトレーニングを継続して、食事も節制しなければすぐにリバウンドするでしょう。きっかけとしてはいいのかもしれませんが、それでも高すぎます。コナミと同じく、トレーナーの質にも疑問がありますし、もっと安く、専門的知識を持った人に指導してもらえるサービスは探せばあると思います。金儲けとしては巧妙な手口だという印象です。