女人禁制の「美しき国」と「寛容な心」

もう何年も前に、大阪の泉佐野市にある犬鳴山で、修験道の一日体験をしたことがあったなあとふと思い出して、修験道を行っている他の山である、吉野にある金峯山寺のホームページを見ていたら、日の丸をバックに「美しき日本」と書かれた大げさな画像から、以下のYouTubeの動画がリンクされているのを見つけました。

[美しき日本] 奈良 吉野山 金峯山寺
修験道の聖地には、あらゆるものを受け入れ、認めてきた寛容な心があります。 監督・ナレーション 河瀨直美 音楽 ハシケン ------------------- 世界遺産にも登録された、修験道の総本山 森羅万象あらゆるものに神霊が宿ると信じていた古代の日本人は、雄大な山を畏怖し、崇めました。この原始的な山岳信仰は、...

YouTubeに飛んでみると、「修験道の聖地には、あらゆるものを受け入れ、認めてきた寛容な心があります。」という説明書きがありました。

ところで、犬鳴山は違いますが、こういう修験道の山は今でも女人禁制になっているところがあります。金峯山寺はどうなのかよくわかりませんが、同じく吉野にある大峰山寺は、未だに女人禁制を保っていることで知られています。大峰山寺も金峯山寺も吉野(といっても吉野の山々は広いですが)にありますが、両者がどういう関係にあるのかも私にはよくわかりません。

ですが、女人禁制の是非はおいても、少なくとも世界で生きる人間の半分を占めている女性さえ21世紀になっても足を踏み入れることができない場所があるにもかかわらず、「あらゆるものを受け入れ、認めてきた寛容な心」などと言われても何の説得力もなく、何かの冗談かと思いました。

私は以前からずっと、「美しい国」などというスローガンに胡散臭さを抱いてきた人間の一人ですが、これは典型的な欺瞞の一つだと思います。無自覚にこういうことを言って美しさを称揚しているのだとしたらあまりにも歪んだ現実感覚を持っていると言わざるをえないでしょう。

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