帯が擦れて帽子を忘れる

昨日某所に出かけた際、帯の付いた変な服を着ていったのですが、時間つぶしに寄った本屋で古本等を物色していたらいつのまにか解けていたようで、片側を床に擦ったまま歩いていたのに、従業員の初老の女性に指摘されるまで全然気づきませんでした。先々月頃買ったばかりのそれなりの値段がした服なので、そのまま気づかずに擦り切れでもしたら泣くところでした。
その女性には、「みんな見てるはずなのにね」(知らんぷりをして誰も何も言わない)というようなことを言われました。
確かに、平日の昼下がりといえど、百貨店は意外なほどに老若男女で賑わっていて、皆気づいていたはずです。深々と頭を下げた後、まさかそうやって擦って歩くものだと思っていたわけではなく、私に関わりたくなかったのか、自分たちのことしか眼中になかったのか、面倒くさかったのか、ああ、大多数の人間は薄情なものだ、いや、それほど日常に疲れて余裕がないということなのだろうか、そんなことを考えながら、しっかりと帯を結び直した上で再び歩き出しました。

その後、昼食を取るために入ったレストランで食事を終えてレジへ向かったところで、隣の席のまた初老の女性が、帽子を忘れていると教えてくれました。私は目を丸くして席に戻り、また深々と頭を下げて会計を済ませました。レジを打った従業員も笑っていました。
先月買ったばかりで(結構高かった)気に入って被っているはずの大切な帽子なのですが、こんな風によほど努力して意識しないとこうなってしまうのです。今まで帽子や手袋の類をおそらく出かけ先でなくしたことは何回もありますし、極めつけは買ったばかりの靴を置いてきたこともありました。さすがにそれは気づいた後、電話で連絡した上ですぐに電車を乗り直して取りに戻りましたが…。

あまりにもこういうことが多い気がするので、ADHD(注意欠陥多動性障害)ではないかと思って、今年のはじめくらいに専門医のところで検査を受けたら、むしろ広汎性発達障害ではないかと言われました。ただし、両者をどちらも持っている人も少なくないらしいです。
一方、かかりつけの主治医は、検査結果のグラフを見て、こういう偏り方はよく見られるわけではないが、障害とまではいえないんじゃないか、むしろ(平均よりもちょっとだけ)高めのIQを活かすことを考えたほうが良いんじゃないかと訝しげだったので本当のところはよくわかりません。

今回のことで、9割の人は非情な一方、1割の人の気遣いに助けられているような気がしたのですが、誰にとってもそういうものなのでしょうか。二人とも年配の方だったのが気になりました。もし若い人たちばかりならどうだったでしょうか。気づいていても皆に無視されたでしょうか。
あとは、以前からわかってはいるのですが、私は自分の身や財産を守るために、たぶん他の人がしなくてもいいようなことまでメモなどをする努力をしなければならないであろう人間だということです。特に、帽子や手袋等をして飲食店に入った時は要注意、と。

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