タバタ式トレーニングのデマを撒き散らすサイトの例

体力が落ちきっているのでなんとかせねばと思い、タバタ式トレーニングについて検索していたら、自分の欲望を満たすために、主唱者の田畑泉氏が否定しているようなことを平気で書いているサイトを複数見つけました。

タバタ式トレーニングとは、20秒間の激しい運動と10秒間の休憩を6~8セット繰り返すことによって主に持久力系の身体機能の向上を図るというもので、私自身、2017年に自転車での日本縦断の準備中、体力増強のトレーニングの一貫として、田畑氏自身が書いた本『究極の科学的肉体改造メソッド タバタ式トレーニング』を参照しつつ、ジョギングと並行して3ヶ月ほど取り入れていたことがあります。

さて、私が見つけたページの一つは、「HIITを8分やるだけで、2ヶ月で細マッチョになった方法|ランニング6倍の脂肪燃焼効果」というものです。なんでも、このサイトの筆者はタバタ式トレーニングを2ヶ月行っただけで、腹筋が割れて筋肉が浮き出た身体になれたそうで、ご丁寧に写真も載せています。しかも、お決まりのように記事の最後にはサプリメント広告への誘導がありました。

ところが、タバタ式トレーニングだけで脂肪が削ぎ落とされて筋肉ムキムキの身体になれるなど実際のところは考えられません。なぜなら、田畑氏も「『タバタトレーニング』で脂肪が減ったというエビデンスはない」(前掲書24頁)と述べているように、このトレーニングは短時間で行うため、あまり脂肪燃焼はしないのです。(田畑氏は「ここは『痩せます!』と言ったほうがビジネス的にはいいんでしょう。」とも皮肉っぽく書いています)

しかも、上でも書いたとおり、ウォーミングアップとクールダウンを除けば、3分から4分で終わる(というよりその時間しかできない)運動なので、8分という時点でタバタ式トレーニングを誤解しています(もしくは意図的な嘘つき)。もし写真が捏造ではないとしたら、タバタ式トレーニング以外の要因によるものでしょう。

次におかしいのは、上で言及したサイトに埋め込まれていたものも含め、複数の動画ではヘラヘラ笑いながらこの運動を行っていることです。

きちんとした情報源にあたってやったことがある方にはわかると思いますが、上でも激しい運動と書いたとおり、やり終えた後は吐きそうになります。なにしろ、わずか4分足らずで疲労困憊(6セット目で最大心拍数のおよそ90%)まで追い込まないといけないのですから。もともとスピードスケートの選手のために考案されたトレーニングであるように、間違っても生半可な気持ちでエクササイズをしたい人が手を出す運動ではありません。ですから、汚い薄ら笑いなど浮かべられるようなら追い込んでいないということでインチキだということです。

ところで、最初に指摘したサイトの運営者のプロフィールによると、「年に1000冊以上の本を読む。科学、脳、体と古典について詳しい。」そうですが、サイトに書いている文章を見る限りでは科学的思考や教養のかけらもありません。論語読みの論語知らずという言葉がぴったり当てはまりますが、そもそも本当にそういう古典を読んだことがあるのかも疑わしいものです。釈迦にせよ孔子にせよキリストにせよ、こんな人を見たら間違いなく痛烈に批判するでしょう。

おそらく何かに影響されて、自分を現実以上に大きく見せるような書き方をしているのだと思いますが、誇大妄想狂にしか見えません。

以前にも別の筋トレサイトを批判したことがありましたが、こういう自己啓発に感化されたような作りのデマを撒き散らすサイトは害悪しかもたらさないのでとっとと死滅して欲しいです。

田畑氏が自ら一般向けの本を執筆した理由は、タバタ式トレーニングに対する誤解が広まっているので自ら解説する必要があると感じたからだと書いていますが(前掲書13頁)、本が出て何年か経っても、誤解が収まるどころか、注目されて金儲けをするために良心の呵責もなく捏造を行う輩がはびこっているのが現状です。

余談ながら、タバタ式トレーニングについて調べていた具体的な理由は、今はスピンバイクを置くスペースもないし、自宅で省スペースで行える運動はないかと、実際にやっている人の情報を知りたかったからです。

本来なら田畑氏の本でも勧められているようにバーピーあたりが全身をまんべんなく使えて良いと思うのですが、集合住宅に住んでいるため床の騒音が気になります。もっとも、まずは軽いジョギングを継続することが先決だと考えていますが。

田畑氏の著書はこのトレーニングに関心のある方は一冊持っていて損はありません。なぜ、どのように効くのかという理論的なことも詳しく解説されています。Kindle版もあります。







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