ダイアコンペのカンチブレーキDC980EXをランドナーに取り付けてのメモ
アーチワイヤーをブレーキ本体に取り付ける際、指定トルクに締めようとしたらワイヤーを通す穴の空いている部品ごとワイヤーが回ってしまう。ボルトの逆側は六角ナットになっているので、チドリと同じように、レンチで逆側に力を加えながら締める必要がありそう。
チドリはレンチを二つ用意して、六角ナットを力いっぱい締めてブレーキワイヤーを固定しないと、ブレーキレバーを引いたらずれて危険。今回はペンチとモンキーレンチを使ったが、二つともレンチのほうが良い。
アーチワイヤーは90度くらいに開くようにすれば良い。ダイアコンペの説明書によると最高で100度らしい。
説明書によるとチドリを固定する位置は最低2cm間隔を空ける。
チドリの位置は上にすればブレーキシューとリムとの間隔が広がる?
2年ぶりにカンチブレーキを調整して情けないことに夜通しかかってしまった。慣れるまでは時間がかかるが、ちゃんと道具があってコツをつかめばそれほど難しくはない。ワイヤーを引っ張るさいにラジオペンチもあったほうが良いかもしれない。
きちんと取り付ければそれなりにブレーキは効く。ただしVブレーキ(DEOREをつけていた)には明らかに及ばない。
(追記)慣れれば効きが悪いとは感じない。最初に付いていたテクトロのもののような鳴きもない。工具があって使うのが面倒でなければ悪ブレーキではない。
ブレーキシューはVブレーキと互換性がある(はず)。あまり情報がない。
ランドナーにカンチブレーキをつけるメリットは、懐古趣味的な満足以外に、フロントキャリア(日東キャンピー等)に干渉しないくらいしかないのでないか。舗装路中心に走るなら、シクロクロスのように泥づまりを気にする必要もない。
カンチブレーキの部品には、古典的なチドリとアーチワイヤーの組合せ以外に、シマノのユニットリンクなどがある。チドリのメリットは、ランドナーの伝統的なフォーク抜きをする際に、ブレーキワイヤーを解放できるからだと思うが、ブレーキレバーを、ワイヤーを上から引き抜けるもの(現行品はダイアコンペのものくらいしかない。シマノやテクトロのものよりだいぶ細い)にしていれば、ブレーキ側でワイヤーを外す必要がなく、チドリにしなくてもよいのではないか。
実際に一度経験したが、チドリだと出先でブレーキワイヤーが断裂した際に、他の部品の調整に使わないようなレンチ(ペダルの着脱くらいか)が二つ必要で荷物が増える。一方、ユニットリンクだとアーチワイヤーが必要なく、ブレーキワイヤーをユニットリンクに通し、直接ブレーキ本体にボルトで固定するので、アーレンキーさえあれば調整できるし、小さな部品が一つ少なくなり万一なくす心配も減る。(もちろんいずれにせよワイヤーカッターは必要だが)
チドリにも六角ナット以外に、アーレンキーで調整できるものもあるようだが、工具を使わないとワイヤーを外せないなら調整が簡単なユニットリンクでいいのではないか。
私のパナソニックのランドナーは、もとからカンチブレーキが取り付けられていて、ヘッドパーツや、フレームにカンチブレーキを想定したアウターケーブルを通すための加工がされているので、雰囲気重視ならカンチブレーキが良いが、ワイヤーを上から引き抜けるタイプのブレーキレバーにすれば、ユニットリンクを使ったシマノのBR-CX50のほうが良いように思う。
もっとも、本当に実用性を重視するなら上で挙げた理由以外にカンチブレーキを選ぶメリットはないと思う。
いわゆるランドナーは、長期旅行にも耐えうる自転車として作られたもののはずだが、そのわりには旅先でのトラブルを想定しているとは思えない部品が目立つように思える。
もともとは旅をする自転車のはずが、今では特に中高年の美的な(時にはスノビッシュな)懐古趣味を実現するための道具に成り下がっているように感じる。(もっともそういった需要から得られる情報も大きいが)