キュレーションサイトmybestのでたらめに注意(クロスバイクを一例に)
自転車関係を調べていたら以下のようなサイトが見つかりました。
【コスパ最強はどれ?】初心者に最適なクロスバイクのおすすめ人気ランキング20選【2019年最新版】
mybestという、いわゆるありがちなキュレーションサイトのページなのですが、クロスバイクはおろか自転車についての基本的な知識すらない人が、どこかから拾ってきた情報を寄せ集めて書いているようでひどい間違いが見られます。
細かいツッコミを入れればキリがありませんが、クロスバイクやロードバイク、マウンテンバイクなどのいわゆるスポーツバイクに乗ったことのある方は以下の箇所を読んだだけでこのmybestが尻尾を出していることがわかるかと思います。
クロスバイクのブレーキは、大きく分けてリブブレーキとディスクブレーキの2種類です。この2つの中で初心者に最適なのはディスクブレーキ。雨に濡れた路面でも制動性が高く、スピードのコントロールがしやすいのが特徴です。
トラブルが少なくメンテナンスが楽なことも強みですので、メンテナンスに不慣れな初心者でも安心。また、ディスクブレーキにはVブレーキ・カンチレバー・キャリパーと3つの方式があります。
(2019年10月1日閲覧)
リブブレーキではなく、リムブレーキですし、Vブレーキ、カンチブレーキ、キャリパーブレーキはディスクブレーキではなくリムブレーキの種類です。このような間違え方からしますと、単なる書き間違いではなく、本当に知らない人が書いていることが伺えます。
そもそも、現行のクロスバイクでVブレーキ以外のリムブレーキが使われているのはほとんどないですし、ディスクブレーキが使われているクロスバイクが登場したのもごく最近のはずです。少なくともまだまだディスクブレーキは少数派ですし、mybestのページではディスクブレーキが初心者に最適だと書きながら、この手のまとめサイトでありがちなどういう基準か不明のランキングに貼られている広告でディスクブレーキを装備している自転車は3台のみ、しかもトップ5にも入っておらず、全く支離滅裂です。見る人のことなんて微塵も考えていないのでしょう。
さらに、ディスクブレーキは確かに雨が降っていたりと路面の状態が悪い状況での制動力は高いですが、リムブレーキより高価な上にやや重いという欠点があります。そもそも、mybestの説明に反してディスクブレーキのメンテナンスは実際はリムブレーキよりも難しく、必ずしも初心者向きというわけではありません。一方、Vブレーキはリムブレーキの中では十分よく効く上に、機構が単純でブレーキパッドの交換や調整も難しくないので、私(クロスバイクに6年以上乗りました)ならまずはVブレーキのついたクロスバイクを勧めます。(そもそもカンチブレーキやロード用のキャリパーブレーキを搭載したクロスバイクなんて見たことないです)
以上のことからこのmybestは、専門知識がなく情報の取捨選択ができない、単なる金儲け主義者たちが広告収入目当てに寄せ集めの情報を無理やり一つの文章にまとめているサイトの一つに見えます。自転車以外のジャンルも扱っているようですが、上で引用した記事からするとその信憑性は疑わしいと考えざるを得ません。
このサイトに限らず、半可通以下の輩が正確性を欠いた大量のページを公開しているのはネット上にゴミを撒き散らして、本当に内容に価値のあるサイトを埋もれさせているだけで悪質です。
この手のサイトはSEO対策にお金を使って、検索したら上位に出てくるようになっているので、惑わされて高いお金を無駄にする人が出ないように注意勧告しておきます。特に自転車はこのようないかがわしいサイトの言うことを真に受けて粗悪なものを買ってしまったら、少なくないお金を溝に捨てるだけでなく重大な事故に繋がる恐れもあるのでなおさら危険です。
クロスバイクはロードレースのチームに機材を供給しているようなメーカーが出しているものならどれを選んでも基本的に外れはないと思いますが、整備不良を避けるため、専門知識のある自転車屋で現物を見た上で選ぶに越したことはありません。
ちなみに、クロスバイクを語る上で外せないのは、GIANTという大手メーカーのESCAPEという車種で、日本で非常に人気が高いのですが(私も以前乗ってました)、mybestさんのページの基準が不明なランキングにはなぜか載っていません。
なぜか。GIANTは原則対面販売なので広告収入につながらないからです。有益な情報ではなく本当に金儲けのことしか考えていないことがわかります。
(2020年1月11日追記)
新たに以下の記事を書きました。
https://te-koku.com/archives/5430
ついでにこちらで指摘したページを確認してみましたが、最終更新日が2020年01月06日になっていたにもかかわらず、まだ「リブブレーキ」のままです。改めて彼らが何を大切にしているのかがよくわかります。救いがたいですね。
GIANTについて指摘しましたが、GIANTのみを扱った独立したページは存在することに気づきました。
しかし、「クロスバイクの人気ランキング」にGIANT(TREKとかも)の自転車がラインナップされていないのは不自然で公平性を欠いていると言わざるを得ません。
(2022年11月20日追記)
久々にmybestのページを確認したら、こちらが指摘したブレーキの箇所が以下のように変わっていました。
クロスバイクに使用されるブレーキシステムは、大きくわけてディスクブレーキとリムブレーキの2種類に分類されます。
初心者におすすめなのはディスクブレーキで、雨の日で濡れても安定したブレーキ性能が特徴。
トラブルも少なく、メンテナンスも簡単なので、あまり詳しくない初心者でも乗り続けやすいでしょう。また、ディスクブレーキ以外にも、Vブレーキ・カンチブレーキ・リムブレーキもあります。
ディスクブレーキ以外にVブレーキ・カンチブレーキ・リムブレーキがあるというのはどういうことなのでしょうか?以前と何も変わっていないか悪化しています。
現在この記事は自称自転車ブロガー、サイクルガジェット代表の中山順司なる人物が監修しているそうですが、名前だけで全く目を通していないのでしょう。そうでなければ本当に自転車について無知な愚か者ということになります。本当に救いがたいほど質の悪いサイトです。mybestに限らず相変わらずこの手の根拠不明のランキングを載せたキュレーションサイトがGoogleなどで検索すると上位に多数出てきますが、目障り極まりなく辟易しています。企業の得体の知れない内容の粗製乱造されたページよりも実際に自分の身体で試した人による情報が知りたいのは決して私だけではないでしょう。
(2023年6月8日追記)この記事をチェックしたのかどうかは知りませんが、現時点では私が上で指摘した点はアフィリエイト報酬目当てのランキングを除いては改善されています。私は本文で初心者にはVブレーキがついているクロスバイクを勧めると書きましたが、ディスクブレーキ装備のクロスバイクがかなり増えてきていることを考えれば、定期的に店で整備してもらうのなら最初から油圧式のディスクブレーキを選んでも問題ないでしょうし、機械式なら油圧式よりは制動力は下ですが、Vブレーキの整備と手間が変わらないかそれよりも楽でないかと機械式ディスクブレーキを取り付けた自分の自転車を整備していて考えが変わりました。ただしいずれにせよ得体のしれないオンライン上の店ではなく、ちゃんとした整備士のいる自転車屋で買うことをおすすめします。
ようやくクロスバイクの記事は改善されましたが、Googleで他の調べ物をするときにも素人以下の人が「監修」した薄っぺらいmybestのページが上位表示されていて苦々しいことに変わりはありません。彼らに「無知の知」などという言葉は通用しないでしょうから、何度も書いていますがこんなサイトを機械的に優遇しているGoogleなどの検索エンジンが一番の悪です。
私はバス釣りが趣味で海釣りを始めようとマイベストを読むとなんだか変な説明が多いな…と感じました。
そこでかなり詳しい卓球用具をマイベストで見ると余りにも酷いランキング、説明文…塩と砂糖は見た目同じだから味も同じです!くらい酷い文章のオンパレードでした
やはり他のページも同じように酷いことが自分が詳しい分野のページを見るとわかるわけですね。どうせ素人以下で日本語の運用能力さえ低レベルな雇われライターがネット上の情報を継ぎ接ぎしているだけなのでしょう。
残念なことにmybestに限らずこういう根拠不明の中身が薄っぺらいキュレーションサイトは次から次に出てくるため、一番問題なのはそういう人を集めて金儲けのことしか考えていないような作りのサイトばかり優遇して上位表示させる仕組みになっているGoogleなどの検索エンジンなのですが。
粗削りなサイトでも実際に商品を使っている人の血の通った評価や感想が知りたいのですがなかなか見つからなくなって本当に困ったものです。
よく言われている「グーグル様は正しい!」という前提で
グーグル様が言ってる「コンテンツで評価している」という建前の綺麗事を信じている人は
こういう現実の事実を元に判断できない人たちなんでしょうね。
とても参考になりました。ありがとうございます。
上のきんたろさんと同じ方でしょうか。
まあ少なくともアフィリエイトなどで金儲けすることしか考えていない人にとってはGoogle様は絶対でしょうし、「コンテンツ」が何を指すかにもよるんじゃないでしょうか。そもそも人間が逐一見ているわけではないですから本当にページに書かれている内容が正確かどうかなんて判断しようがないでしょう。
私が批判しているような事態になっているのは数年前にGoogleのアルゴリズムが変更されて主に企業による規模の大きなサイトを優遇するようになったのが原因だと思われますが、安易で極端な方針だと思います。昔に上位表示されていたいかにも怪しげな個人サイトと違ってmybestのような企業サイトはデタラメを書き連ねていても装いだけは整っていてページの文字数は多いことがよく見られますから、特に専門的知識のない見る人にとってはかえって容易に惑わされて正確なサイトを見抜くことが難しくなっているのではないかと感じています。