何のために?
私は現在教育を学んでおり、様々な本にあたっているところです。知人に大学院の博士課程で教育社会学を専攻している人がいて、その人に、教育を学ぶにおいて外せないような本はないですかと尋ねてみました。すると、「一体何に関心があるの?」と聞かれたのですが、言葉に詰まってしまいました。
もちろん、私とて関心がないわけではありません。しかし、最初は何らかの関心、目標があり、そのための知識を身につけるために本を読みだしたはずが、気づけば本を知識を得ること、本を読むことが目的のようになっていて、本来の関心を忘れ、心の奥に沈んでしまっていることに気付かされました。
もっとも、全く知らない分野に挑戦する場合、逆にまず複数の文献にあたって、そこから問題意識を拾い上げ、発見するという方法もあります。ですからどちらにせよ本を読むことは必要なわけです。
けれども、少なくとも私の場合は、ふと自思い返してみますと、今までも本を読むと気づかぬうちにそのような状態に陥っていることはたびたびありました。今一度、一体自分はなにがしたいのか、なんのために学んでいるのかを再確認する必要があることを思い知らされた良い機会でした。
大勢の中で飲まれていると自分を見失いがちでですが、かといって一人でいるときは一人でいるときで、視野狭窄的になりやすいものです。難しいですね。