YouTubeのストリートピアノ弾いてみた動画という公開マスターベーション
YouTubeを見ていると、ストリートピアノを弾いてみたという動画がたまにおすすめとして出てくることがあります。
上の一例のようにたいていは人だかりの真ん中で得意満面な優男(どれも似たようなチャラチャラしたような男が多いのが興味深い)のサムネイルが付いています。こういうものを目にすると、虚栄心を満たすための公開オナニーもここまできたかと思わされます。素直に自分の演奏を聞いて欲しいという意図を明らかにすればまだ正直だと思います。自分の能力を人に認められたいという欲求自体は不健全なものでもなんでもないからです。名だたるピアノストとてそういう欲望は持っているでしょうしそれを原動力にしているのかもしれません。まったくの自己満足で完結するならば、たとえ金銭が絡んでいてもコンサートなどで衆目の前で演奏することになんの価値も見いださないでしょう。それでも上のような動画で目につくのは、タイトルがたいてい決まって「~を弾いてみたら人が来すぎてwww」というようなものになっていることです。上で述べたような欲求がないような素振りをしているようでかえって卑しさが滲み出ています。さらには「人が来すぎて」というような表現からは、なおのこと自分の欲望を有象無象の他人で覆い隠そうとしている印象を受けて余計に下衆に見えます。
もっとも、自分の胸を当てて考えてみても、誰でもそういう欲は持っているだけでなく案外無自覚なものなのかもしれません。でもやがてその浅ましさに気づくもののはずです。ですが、ストリートピアノだけでなく、YouTuberやTwitterアカウントなど、老若男女問わずインターネットで影響力を発揮している人たち全般にいえることですが、ここまで多くの人に見られて持ち上げられてしまうとあまりの気持ちよさから感覚が麻痺してしまって、ご本人はもう手遅れかもしれません。裸の王様です。
それよりも取り巻きは一体何が楽しいんでしょうか。動画の中でチヤホヤされている連中と自分を精神分析でいうような同一視して何か満たされた気になっているのかもしれませんがなにか有意義なことだとは思えません。
(追記)肝心なことを忘れていましたが、単純に金儲けのためにキャッチーな表現を使っているというのもあるでしょう。いずれにせよ下劣なことに違いはありません。