mybestを一例としたキュレーションサイトに対する注意喚起と批判
最近Googleで調べ物をしたらやたら上位に出てくるmybestというサイトの内容があります。訳知り顔でいろいろな商品を長々と紹介して、広告収入を得ていると思しき企業のサイトなのですが、書かれている内容にある程度通じている人間が読んでみると、初歩的な知識さえ間違いが多いのです。
ですから、Googleで上位に表示されることに反して実際はいかに信用できないものであるかを、クロスバイクという自転車について書かれた比較記事を一例を挙げて以前指摘しました。間違え方からするとクロスバイクに乗ったことさえない人間が適当なサイトや本を読みかじって寄せ集めた情報で書いているどころか、それすらしていないのではないかとさえ疑われます。はっきり言って、調べ物の邪魔です。
https://te-koku.com/archives/4985
さらに調べてみたところ、mybestがなぜGoogleの検索結果でトップに出てくるのか、mybestのようなサイトを作っている人は何を考えているのかを垣間見れたようなページを見つけたので引用してみます。
mybest見てみましたけど、サイト設計や記事設計自体は別に他のアフィリエイターの方がすごい人いっぱいいるレベル。
あそこのすごさは公式からの被リンクをもらえる仕組みを作っているところっぽいですね。
— yuki (@yuki_jizo) October 28, 2018
このツイートからわかることは、アフィリエイト広告を出している企業から直接リンクを貼ってもらうことによって、Googleに対して信頼できるサイトであると見せかけているということです。確かに、「質の高い」サイトからの被リンクの量はSEO、検索エンジンでの上位表示のために好ましいとされていることはずっと以前から知られていることです。
さらに、mybestをすごいと称えて紹介しているページにも以下のようなことが書かれていました。
先に、結論いうと
【紹介した商品の記事ページを、公式が公式ページからIR兼ねてリンクするように促している】
という施策です。意識的にやっていると思いますね。
要は、雑誌とかテレビとかで紹介された後に、店頭で〇〇という番組で紹介されました!とかやるやつを、WEBサイト上で、比較サイトmybestで紹介されました!とやってもらうだけです。
これが秀逸なんですよねぇ…
ライター、IR、サイト全部がハッピーになる形になっているなぁと思います!
https://tarinai-hitori.com/posts/21
やはり、紹介している商品を発売している企業そのものとタイアップすることによって信用を上げようすると仕組みができていることがわかりました。結局は商品の販売企業とアフィリエイター(企業)がグルになっているにすぎず、どのようにお金が動いているのかまではわかりませんが、ようは自作自演、やらせに近いものなわけです。私などからすると、「mybestに紹介されました」などと書かれている商品は真っ先に疑わしいと感じますが、それをお墨付きと感じる人が一定数いるのでしょう。
最後の一文が、このようなサイトを作る人たちが何を第一に考えているのか、彼らの価値観を一番物語っていると思います。「ライター、IR、サイト全部がハッピーになる形になっているなぁと思います!」などと無邪気に書いていますが、なにかが欠けていると思わないでしょうか。そう、情報を探してサイトを見る人に対して正しく公平な情報を提供する、彼らの幸福に寄与するという視点が完全に欠落しているのです。結局はいかに人を信じ込ませて自分たちが利益を得るかということしか頭にないのが見て取れると思います。
さらには以下のようなことも書かれています。
ニッチ×専門家の紹介だから一定の信頼がある
まず、ライターさんがもともとその界隈では有名だったとか、そのプラットフォームでは信頼があるという方々になっています。
もちろん、別に有名人やそこでご飯食べてる人だけじゃなく、SNSでフォロワー多いとか肩書だけすごいあったりする人もいらっしゃいます。
ライターの肩書を見てみると・文房具の達人
・美容ブロガー/インスタグラマー
・インナーウェアコンサルタント↑とかとか。ちょっと謎ですよね。
顔出しでやっている人も多いですが、仕事までじゃないけど、趣味としてはかなり極まってるよという人が多い印象です。
「文房具の達人」、「美容ブロガー/インスタグラマー 」、「インナーウェアコンサルタント」ってどういう基準があるのかもわからないなんら実態のない肩書きで、自分で名乗って恥ずかしくないんでしょうか。それなら私だって「クロスバイク専門家」などと名乗れそうです。恥を知らず、金儲けのために魂を売り渡したらの話ですが。おそらくマーケティングの本かなにかの影響で、肩書きをでっち上げたほうが信用が得られるとでも書いてあったのでしょう。(今はだいぶ聞かなくなりましたが神田昌典とかの系列か)
以前の記事にも書きましたが、自転車だけでなく、化粧品や健康食品なども、このような金儲けしか考えていない人たちによる偏った情報を鵜呑みにして購入、使用すれば健康被害が出る可能性があるため、注意したほうが良いと思います。WELQの一件からなにも進歩していません。
すでに古代ギリシアの哲人が批判していたことですが、結局、本当に知らないことを知っていると言い張り、人を言いくるめることができるような弁舌が長けた者が金儲けをして社会的地位を得ることができる。人間の変わらない性でしょうか。
ともあれ、mybestに限ったことではなく、金儲けのために社会にデマを撒き散らすようなサイトは一刻も早く死滅して欲しいと改めて願っています。
(追記)
本文で言及したTwitterアカウントを開いてみたら以下のようなツイートを見つけて呆れました。
知性へのRESPECTの違いだろうな…
日本人はいつからこんな骨抜きにされたのか、
— yuki (@yuki_jizo) January 10, 2020
どうやらGHQが戦後の日本を骨抜きにしたというコテコテの陰謀論(WGIPとか?)を信じているようです。確かにこのYUKIMOさんのおっしゃるとおり知性へ敬意を払うことは大事だと私も思いますが、陰謀論を公然と垂れ流す人間が知性に敬意を払っているとは到底思えません。そっち系の陰謀論にはまっちゃう人がお好きそうな言葉を使ってあげますと、人を集めての金儲けのことばかり考えて、日本人としての品格や美徳はどこにいったんでしょう?