SURLYのフォークへのクラウンレース取付けをめぐるトラブル
SURLYのDisc Truckerのクラウンレースが二個だめになってしまったと書きました。
https://te-koku.com/archives/6282
1つ目のクラウンレースを打ち込みに失敗しては外してを繰り返した挙げ句に潰れてしまいました。クラウンレース取り付けには専用の工具があるのですが、最初は塩ビ管を使って金槌で打ち込んだところうまくいかず、結局4000円弱の専用工具(といってもプロ用のものではありませんが)をわざわざ購入しましたがやはりうまくいきませんでした。
ちなみに私が購入したのは、東京サンエスが販売している、grungeのクラウンレースインストールです。
2つ目のクラウンレースは最初から専用工具を使いましたが結局またうまく入らず取り外す羽目になりました。しかもこの専用工具、なぜかパイプの内側に出っ張りがあり、フロントフォークに抜き差しをしているうちにまた傷がついてしまいました。おまけに結果は塩ビ管と変わらず、本当にろくでもない買い物でした。この工具を使うなら、テープなどをフォークに巻いて保護してから作業したほうがよいかもしれません。
このまま同じことを繰り返してもしフロントフォークが破損してしまったら取り返しがつかないことで、プロに任せたらうまくいくかもしれないと思い、フレームを買った店舗に持っていくことにしました。ところが、その店でもクラウンレースには大きな傷がついてしまい、補償してもらえないかと言ったところ、あくまでクラウンレースは新品ではなく多少の傷がついていたためできないと言われて口論になりかけ、結局数百円ですし、店にあったクラウンレースを私が買い取ると言いましたが、潰してしまったしやっぱりただで差し上げますよ(ただしそれも作業をしたもののはず)店側に申し出られたものの、どうもベアリングとうまく噛み合わなかったため、やっぱりなしということになりました。
後で複数の友人にこのことを話したところ、一人は、あさひなどの大手チェーン店なら、普通は作業前にマニュアルで部品に傷があるかどうか調べた上で、ある場合は断り、その段階で見抜けなかったら補償をするのが常識であり、個人商店にはいい加減な店が多いと言っていました。
一方、分野は違えどクライアントから作業を請け負う仕事をしているもう一人は、一度自分で作業をした後なら、プロに頼んで破損されても補償が効かないのは当たり前だと思うべきだと言われました。それはさすがに言い過ぎではないかと議論になりましたが、いずれにせよ、客と店との関係である以上は、作業をする前に、契約内容を明確にして合意形成をするのがトラブルを防ぐためには必要だったと思いました。その友人も、自分が仕事で作業をする際には、プライベートとは違って面倒でもマニュアルを見ながら進めていると言っていました。大げさな気はするものの、より慎重を期すならこちらも依頼前の部品の状態を写真に撮っておくくらいはしたほうがよいのかもしれません。そういう点ではお互い落ち度があったとは思いますがいかがでしょうか。ただ、数百円のものとはいえ、結局はタダでいいと言ってくれただけ良心的な店だと思ったほうがよいのかもしれません。
ちなみに、プロはどういう工具を使ってどういう作業をするのか興味があったのも、わざわざまた別の友人の車に積んでもらって(なんだかんだ友人には恵まれていると思います)店まで持っていった理由ですが、私が見た限りでは、確かに金属のパイプは太くしっかりした見た目のものでしたが原理的には私の買ったグランジのものと同じで、作業もスポークを床に立てて力いっぱいに上からガンガンと打ち込むという、これも私のやってうまくいかなかったやり方と同じでした。クラウンレースについた傷からすると、相当な力が上から加えられたのだと思います。すでに加工してしまいましたがやはり写真を撮っておくべきでした。
ノギスで測ったら確かに1mm以下の誤差は認められたので、輸入代理店にフォークを交換できないか問い合わせることもできると店に言われましたが、いつまでかかるかも本当に交換できるか、ただでさえ師走で時間もどれくらいかかるかわからず埒が明かないので持って帰り、フォークをヤスリで削ってから打ち込んでみましたがそれでもうまくいきません。仕方がなく、のこぎりでクラウンレースに切れ込みを入れて手で入れました。これなら最初からそうするべきでした。見た限りでは大丈夫そうですが、当然ヘッドパーツのメーカーの想定外のやり方で、乗っていて不具合が出るかどうかはわかりませんのでプロにはできない仕事でしょう。
ところで店側は、最初の私の作業の失敗でフロントフォークが歪んだかもしれないなどと言っていましたが、先の記事でも書いたとおり、後で完全に取付作業をしていないMidnight Specialに間違いなく新品のクラウンレースを打ち込んだところ結局Disc Truckerと同じように入らなかったため、その説は否定されます。
なお、ホーザンから、ヘッドパーツ圧入と同じように、打ち込むのではなく、パイプを挟んで圧入するやり方の工具が売られていますが、本体は1万円以上、おまけにフォークによっては7000円くらいするアタッチメントが必要でさすがに買う気にはなりませんでした。当然、それを使ってうまくはまる保証もありません。あるいは、フォークを切削する工具も存在するようで、これなら物理的にはめられるようになると思いますが、そちらはなんと安いものでも4万円です。もし乗っていて不具合ができるようならそれらを使わざるを得ないかもしれません。
余談ですが、作業を頼んだ店を出た後に肝心なフォークを店内に置き忘れてしまい、すぐに戻ったところ、売り物の自転車に身体を当ててしまった上に、フォークを持ち上げた際に机にぶつけてしまって心象はさらに悪くなったと思います。置き忘れたことも含めて、おそらく早く帰りたいと無意識に強く思っていたため、焦りが行動に表れたのだと思いますが、そういうときこそ堂々と落ち着いて行動して余裕を見せるべきなのに情けない限りです。
なんにせよ今回の件はいい教訓にはなりました。