お母さん食堂炎上(?)に思う

ファミリーマートで買い物をしていて、ファミマの惣菜のプライベートブランド「お母さん食堂」がなぜか今更炎上(?)したらしいことを思い出しました。どうやら名前が性別役割分業を助長するからといういかにも俗流フェミニズムに感化された人たちが思いつきそうなベタベタな理由のようです。

変更のための署名活動を始めたのは女子高生だそうで、「『お母さんが食事をつくるのが当たり前』というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を助長しかねません。」などと言っていますが、突然英語の概念を自明のもののように振りかざすところもいかにも典型的です。「全国のメンバーが集まり、女性差別やジェンダーバイアスなどについて学んだ際、この『お母さん食堂』というネーミングに疑問を抱いたという。」そうで、おそらくその際に講演をしていた「プロ」によって教え込まれたのでしょう。

ファミマ「お母さん食堂」の名前変えたいと女子高校生が署名活動、「料理するのは母親だけですか?」(BUSINESS INSIDER JAPAN) - Yahoo!ニュース
ファミリーマートの惣菜シリーズ「お母さん食堂」の名前を変えるよう同社に訴える署名キャンペーンが始まっている。署名を立ち上げた女子高校生3人の思いと、ファミリーマートに見解を聞いた。

しかし、この「お母さん食堂」が果たして彼女らの主張するような偏見を助長するとは思えません。「お母さん食堂」を見て、料理をするのは母親で当たり前だという価値観が刷り込まれるのはよほど思考力に問題のある人でしょう。そもそも無意識の偏見が生じるなどなにをもって断定するのでしょうか。もちろん密室で「お母さん食堂」のCMを見せ続けるというような※、現実から乖離した環境での実験でもすれば話は別かもしれませんが、あまりにも一般大衆を馬鹿にしている強弁にすぎません。一部の「目覚めた」少数者が無知な民衆を裁いて啓蒙してやろうという、あの手の活動家に典型的な傲慢さが見て取れました。

とはいえ、私自身、今日のように「お母さん食堂」のような出来合いのものに頼る日もあれば自分で料理も作る男性ですが、あまり「お母さん食堂」の名称は好きではありません。私は自分の母親に対してあれこれと葛藤のある人間ですが(本来の意味でマザー「コンプレックス」かもしれません)、なんだかんだいって自分にとって「お母さん」は決して代替不可能なかけがえのない人だからです。自分の母親の手料理が世界で一番おいしい(唯一祖母となら甲乙つけられない)、代わりになるものはないと公言するのに何ら恥じません。ですから、「お母さん食堂」などと言われるとどこか気持ち悪さを感じてしまうのです。

かといって、わざわざ「お母さん食堂」の名前を変えろとは思いませんし、「おふくろの味」を標榜しているような料理店を、わざわざ避けるわけでもありません。それに、いかに冷凍食品とはいえ人間の手がなければ生産されないわけですから、「お母さん食堂」にももしかすると誰かの「お母さん」の手が加えられているかもしれない一方で、他にも「お父さん」もどちらでもない人もいるでしょう。すなわち偏見を助長するなどという短絡的な発想には陥らないはずです。少しでも想像力があればの話ですが。

(2021年1月26日追記)※CMで「お母さん」を演じている人物が、およそ女性的ではない長身の中年男性の上、割烹着を着ているなど現代の家庭の一般的な「お母さん」像からはかけ離れた姿ですからそういう環境に置いたとしても効果は薄いかもしれません。しかも、CMで描かれている「お母さん食堂」の客は高校生のような子どもでなく大人です。やはり見当違いの言いがかりに過ぎないと思います。

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