ファンダメンタリズムの誤解されやすい特徴(ジェームズ・バーによる)
ジェームズ・バー『ファンダメンタリズム その聖書解釈と教理』によると、ファンダメンタリズム(キリスト教根本主義、いわゆる原理主義)の特徴は、「聖書を文字通りに」読むことではなくて、「聖書にいかなる誤りも含まないように」読むことであるという。これは誤解しやすい点だと思うのでメモした次第である。
バーは、ファンダメンタリストや保守的福音派は聖書に文字通りに忠実に信じているという俗説を否定する。実際は彼らは必ずしも聖書の字義通りの解釈を行っているわけではないという。たとえば、創世記の創造物語も、文字通り6日間で天地創造されたと解釈していない例が載せられている。どうにか理屈をこねて無理やりにでも整合性を保とうとしているのである。
ただ気になったのは、バーは創造の日数を字義通りに受け取っているのは極端な保守派だと述べているが、この著作が出版された1980年前後に比べて、現在もその状況は変わらないかということである。また、バーのいたイギリスよりはるかにファンダメンタリズムが台頭しているアメリカや、ファンダメンタリストからリベラルとみなされている、日本基督教団やバプテスト連盟内でも決して無視できないファンダメンタル的勢力が存在する日本ではどうか。かえって当時より退化している可能性もあるのではないか。ネット上の自称クリスチャンを見ているとどうもそんな気がしてならない。