アメリカ留学はすごいことだが

悪友豚とLINEで話していたら「Twitterで感動ポルノ」がどうのこうのと突然書き出すので何のことかと聞いてみたら、徳島の女子高生がスタンフォード大学に合格したというニュースについてらしい。そのニュースがなぜ「感動ポルノ」と感じたのかはよくわからないし確認する気も起きない。素朴な有象無象によって称賛の嵐の対象として消費されたからだろうか。しかし、そもそもわざわざニュースにするほどのことなのだろうか。それが不思議で仕方がなかった。

私は大阪(大阪市内ではない)出身だが、私の従妹の一人は小学校(近所の市立小学校だったはず)の途中から大学までアメリカに留学し、名門大学を卒業して帰国した。彼女の父親は旧帝大卒でアメリカ留学経験があり英語堪能な経営者、母親も裕福なエリートの家に生まれ、三ヶ国語を自在に操る才媛である。

他にも、Facebookで小中学校の同窓生のページを漁っていたら、おそらく一言も話したことがないであろう同じ中学(平凡な市立中学校)の女子の最終学歴がイギリスのケンブリッジ大学になっていたのを見つけて驚いたことがある。

大阪出身ではご不満ならば、私が世話になった地方国立大学の教授は、やはり娘を中学か高校だかでアメリカに留学させていた。

こういう例は全国的に見ればそう珍しいことでもないだろうし、アメリカなどに留学させようと思えば、一体どれくらいの莫大なお金がかかるのか想像に難くないことで、徳島の高校生もおそらくは相当裕福で社会的地位の高い家の出だろう。東大などの学生の世帯年収然り、本人の「努力」や「才能」を発揮するためには家庭環境の多大な影響下にあることは昔から指摘されてきたことで、そのことに一切言及がないとしたら一面的だと思う。現代の「インフルエンサー」のような自己顕示欲が強く欲深い個人とマスメディアの「共犯」の典型であるように感じた、と思って出典を確認したら、以前、いかがわしい自称「発達障害」の「カウンセラー」を出演させていたことに対して、「面白おかしくて数が稼げれば良いと考えているもともと信憑性が低いメディアだと思われる」と書いたAbema timesだった。

それなら俗悪な内容なのもうなずける。大手新聞社でないことがわかって少し安心したくらいだ。それにしても本当にくだらない記事だった。それはすごいねだからどうしたとしか言いようがない。

ところで、従妹は早くからアメリカに行ってしまったし現在も親戚で集まる機会が減ってしまったのでそれほど親しいわけではないのだが、彼女には裕福なエリートにありがちな驕慢さは全く感じたことがない。そう考えると実は従妹は聡明な人なのではないかと改めて思えてきたが、メディアに登場する他のたぐいの多くの人物と同じく、ステロタイプなエリート像は目立つだけであって、実際にはむしろ従妹のような人のほうが多いのかもしれない。

また余談ながら、私はこの手の話において「当事者」の話を批判的に吟味せずに真に受けるのには懐疑的である。自分を大きく見せたい人ならなおのこと話を「盛って」いるかもしれないからだ。しかし三流ネットメディアごときにそこまでの倫理を期待するのはお門違いというものか。

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