「プラなし生活」にご用心

調べ物をしていたらGoogleに優遇されているのかたまに出てくるサイトに「プラなし生活」というサイトがあります。このサイト、生物海洋学者のRyota Nakajima(中嶋亮太)氏と、主婦のYoko Koga氏が運営しているそうですが、公平な情報が載せられているとは言い難く、はっきりいって悪質なサイトだと思っています。

これだけプラスチック製品が普及しているということは、他の物質にはないなにかしらのメリットがあるからのはずですが、そちらはほとんど触れないか過小評価している一方、代替になると主張しているプラスチック以外の製品のデメリットはほとんど取り上げていないのです。

たとえば「洗濯バサミとハンガーはステンレスに!プラスチックはボロボロ劣化」という記事では、プラスチック製の洗濯バサミではなくステンレス製のものを使うことが勧められています。

https://lessplasticlife.com/take-action/cleaning/clothespin-and-hanger/#i-10

ところで、私のピンチハンガーはもともとすべてステンレス製で、洗濯バサミだけポリカーボネート製に取り替えていますが、なぜステンレスの洗濯バサミをわざわざ取り替えたのかといいますと、外に出しっぱなしにしていたら洗濯バサミがサビているのに気づかずに洗濯物を挟んでしまい、サビが色移りしまったからです。確かにステンレス製の洗濯バサミには、プラスチック製と違って紫外線による劣化の心配をする必要がないという大きな利点があります。ですが、洗濯物を取り込むたびに部屋の中に片付けたり(ただでさえステンレス製は重たい)、こまめにサビがないかチェックしてサビていたら金属たわしなどで削り落とすような、部屋に置き場があってマメな性格の人なら問題ないのかもしれませんが、ステンレスといえどもサビを完全に防げるわけではありません。一旦サビが洗濯物に移ってしまったらいくら洗っても取れません。ステンレスの洗濯バサミにはこのようなデメリットもあるわけです(ただし、ふつうのハンガーは無印良品のアルミ製のものを使っていてこちらは錆が溶け出したりはしていません。軽いですが変形しやすいのが唯一の難点か)。

プラなし生活さんも一時はポリカーボネートのピンチハンガーを使っていたらしいですが、発がん性があるらしい「BPA」なる化学物質が気になってわざわざ使うのを控えるようになってしまったそうです。ところが、そのBPAの害を説明しているページでは「BPAが人の体に入る最大の要因は「食事」であるといいます。」と書かれています。この人、洗濯バサミをバリバリムシャムシャ食べているんでしょうか。

最も悪質だと思ったのは布マスクを勧めている記事です。新型コロナウイルスの流行がきっかけで、不織布マスクに比べて布マスクやウレタンマスクは飛沫を防ぐ効果が低いことが広く知られるようになりました。

(参考)https://www.pref.tokushima.lg.jp/ippannokata/kenko/kansensho/5050183/

それにもかかわらず、新型コロナウイルスの流行によってマスクの着用が半ば義務化されるような世の中になっても、不織布マスクは蒸れる、隙間から花粉やウイルスが入ってくるなどとデメリットを一方的に煽り立てて布マスクを勧めているばかりで、上で述べたような布マスクのリスクは一切書いていないのです。「使い捨てマスクのパッケージによくみる「99%カット」の文字。花粉やウイルスを徹底的にシャットアウトしてくれそうですが、これ実は「不織布フィルター単体の性能」、つまり実験室でフィルタリングセットに取り付けた場合のカット率なんです。」などと書いていますが根拠不明ですし、政府や自治体などが公開している研究機関での実験結果は実際にマスクを着用した際の性能によるもので、いずれにせよ布マスクよりも使い捨ての不織布マスクのほうが効果が高いことはすでに明らかになっていることです。それなのに一億総マスクとでもいえる世の中になってもそのことについては一切触れていないのです。

記事を書いたのはあくまで科学的素養のない主婦と思われるYoko Koga氏らしいですが、こんな記事を野放しにしているならわざわざRyota Nakajima氏が共同運営している意味はなく、到底誠実な科学者の態度とは思えません。自分たちの主張したい結論のために都合の良いデータばかり引っ張ってくるのは学者としてアウトです。様々な検索キーワードで上位表示されているサイトなだけに無責任に感染拡大を助長している、とまで断じるのは言いすぎかもしれませんが、少なくともやはりサイトの情報はあまりに偏っており、公平さや信頼性は疑わしいと判断せざるをえないでしょう。

このようなサイトをやたら上位表示させるGoogleも困りものですが、目にする人もこのサイトに限らず、物事を一面的にしか取り上げていなかったり、断定的な表現を用いているサイトに書かれていることを真に受けないように注意したほうがよいと思います。

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