奥田知志氏とバプテスト連盟とか
以下は「グリーンコープと奥田知志氏」が、奥田氏が理事を務めているというColaboなる得体の知れない団体がTwitterなどで取り上げられていたついでに見られていたようなので追記として書きましたがグリーンコープと直接関係ない話なので別の記事にしました。
奥田氏が牧師を務めている東八幡教会が「加盟」している日本バプテスト連盟の教会は、少なくとも名目上はあくまで独立した教会の「連盟」であって教団ではないため、「バプテスト連盟」なる組織が全国の教会を支配しているわけではありません。確かに特に牧師や神学者といったリーダーシップをとっている人たちは政治的に左翼的な傾向が強いと思いますが、どれほど左派の社会活動にコミットしているのかは各教会やそこに集う人それぞれで、本文でも書いたように奥田氏への評価も是是非非だと思います。以前批判したような人物を呼んだ「性差別委員会」に関わっているような人たちは悪い意味で先鋭化していると思いますが数の上ではそう多くないはずです(例によってそういう人は目立とうとするから多いように感じられる)。また政治的傾向とは必ずしも一致しないのですが、西南学院大学の教員は神学的にはリベラルではあるものの、連盟の教会の中には神学的に保守的な教会もそれなりに存在します。特別関心のない人が考えているよりは事情は複雑です。
左翼呼ばわりされがちな奥田氏ですが、彼は一昨年に天皇に「ご進講」を行い、天皇制に否定的な同じバプテスト連盟の牧師や、西南学院大学の神学部教員は奥田氏を非難していました。奥田氏と面識のあるであろう知人に後日聞いたところでは、「ご進講」を行ったのは活動資金(「抱樸」が取得した工藤会の跡地関係の?)を集めるためではないかとのことです。ですからあくまで奥田氏にとっては彼自身の「奥田イズム」とでもいうべき信念が価値基準なのではないかと思います。もっとも、ホームレスや元暴力団員などのアウトローを相手にする以上はなめられないように良くも悪くも強力なリーダーシップを発揮する人物でないとやっていけないところはあるのでしょうし、組織が大きくなって自身の社会的な地位や影響力も高まると、色々な人たちや団体との利害も絡んできて、もはや自分の意志とは関係なく動かざるを得なくなってくることもあるのでしょう。
ちなみにこれ以上詳しくは書けませんが、上の記事で言及した「奥田教」と形容した人は、少年時代を東八幡教会で過ごしたという若者で、どういう話の流れでだったかは忘れましたが、温厚そうな青年が突然そのようなことを発言したことに驚き、子どもでも(だからこそ?)ちゃんと見ているものだと感心したと同時に、どうであれ少なくとも子どもにそのような印象を抱かせるようでは奥田氏や「手下」の同僚牧師も駄目だと思ったものです。
奥田氏らは「ひとりにしない」、「ひとりも取り残されない」をキャッチコピーにしているようですが、それはあくまで彼らによる主導権(もっと強い言葉を使うなら「支配」)を受け入れ続けることが前提であるのではないかと上のような関係者からの評判からも私は常々訝しく感じていて、それが当たっているかどうかはわかりませんが、奥田氏のみならずあの手の強力なリーダーシップを持ったカリスマ的な人物には往々にしてこのような二面性があることはよく注意しておいたほうが良いと改めて書いておきます。
これも思いつき程度ですが、件の団体の活動内容についてはホームレスとある種の女性の違いはあれど奥田氏らの提唱する「伴走型支援」の影響(バプテスト連盟の一部にも影響あり)が見られるのではないかと思われ、関心のある方は奥田氏の著書を読むなどしてその理論について(上の私の疑いが当たっているかどうかも含めて)調べればより的確な批判ができるのではないでしょうか。